以前からのニュースでも、今年の司法試験の唯一の現役高校生合格者が慶女の生徒だと書かれていたので、ずっと気になっていましたが、こちらのサイトで合格体験記が見られるようになっていました。
早速読んでみたところ、勉強の心構えとして高校受験生にも非常に参考になりそうな内容がありましたので、ご紹介します。
(引用開始。太字・マーカーは引用者)
中学時代にアメリカで学び、日本とは異なる教育環境の中で、同級生たちが早くから将来を意識して努力している姿を目の当たりにし、強い刺激を受けました。日本に帰国して高校に進学し、少しずつ進路について考え始める中で、書店に立ち寄った際に手にした「伊藤真の憲法入門」という本が面白く、法律に興味を抱き始めました。
(中略)
私は、週6の学校の授業に加えて、週4で部活動をしていました。予備試験論文式試験の直前の部活動の夏合宿や、司法試験数か月前の修学旅行にも休まず出席しました。そのため、フリースタイルで自分のスケジュールにあった受講をできたのは助かりました。また、隙間時間を見つけ、そこでできる限りのことを心がけました。例えば、朝起きて支度をし、学校に行くまで時間が数分余ったら条文を素読し、学校へ行く電車の中では論証を覚え、混雑してなかなか前に進まない通学路では論証の続きをやり、帰りの電車でも論証を覚え、帰宅したら眠くなるまで勉強する、勉強ができない時でも自分の弱点を頭の中で分析し、どうやって克服するのか、スケジュールはどう立てるのか、ずっと考えていました。時間がないことを嘆くのではなく、ある時間を最大限有効に活用できるように工夫しました。また、法律の知識が法学部生やロースクール生などの受験生に比べて劣るにもかかわらず、勉強時間もあまり取れないため、気持ちだけは絶対に負けないようにしていました。弱音を絶対にはかず、どんなに遅くなっても諦めない、眠いや疲れた、やりたくないなどの気持ちが落ち込む言葉は出さないようにして、自分を励ましながら頑張っていました。試験本番に向けてのメンタルの訓練にもなりました。
(中略)
合格まで伊藤塾の方々、家族、学校の先生や友達、たくさんの方々に応援し支えていただき、全ての方々に感謝の気持ちでいっぱいです。合格で満足するのではなく、司法修習に行くまでの4年間、英語などの法律以外の分野でも努力し続け、たくさんの人と関わって見聞を広げたいです。司法試験に合格できたのは、伊藤塾の教材を信じ、法律が大好きという気持ちと、何があっても諦めないという強い気持ちを持っていたからだと思います。
(引用終)
「中学時代にアメリカで学び」「日本に帰国して高校に進学し」と書いているので、おそらく高校受験で慶應女子に入った方のようです。普通であればそこで一息つきそうなところ、高1から司法試験に向けた勉強を始めるというのがすごいですよね。
黄色いマーカーを付したところは、隙間時間を使った具体的な勉強内容が書かれている箇所です。ここまで突き詰めて全ての時間を注ぎ込んだからこそ、常人では考えられないような成果が得られたのだと思います。
オレンジのマーカーを付したところからは、勉強に関するメタ的な思考の重要性(ただ科目内容を勉強するだけでなく、勉強の仕方について考えることの大事さ)がわかります。
緑のマーカーを付したところからは、成功者のメンタリティが読み取れます。意図して自分を前向きな精神性に持っていっていることがわかります。自分に対して弱音ではなく励ましの言葉をかけるというのは、非常に上手いメンタルコントロールですよね。また、最後には感謝の念も書かれています。
私の経験からも、高校受験で逆転合格する人は、人への感謝・貢献したい気持ちを原動力にしている人が多い印象です。私が見てきた生徒の中で、飛び抜けてものすごく努力していた生徒が二人いますが、二人とも合格した後、「先生に合格の報告をして喜んでもらいたくて頑張っていました」といった趣旨のことを言ってくれていました。私自身はそのような考え方をしたことがなかったので驚いたものですが、確かに、自分のためよりも人のための方が頑張れるという部分はあるのかもしれません。
司法試験に合格したこの方の精神力にはもはや才能すら感じますが・・・、全てを真似できないにしても、少しでも真似できるところは真似をして、悔いのない受験生活をしてもらえたらと思っています。

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