私は今までに直接指導してきた生徒を、30人以上慶應義塾女子高に合格させてきました。私自身、成績を上げることは全般的に非常に得意なのですが、慶女に関しては特に得意であるという自負があります。
なぜなら、傾向が安定していて対策しやすいからです。
そうは言っても、一般的に考えて、慶應女子高に独学で合格するのはものすごく難しいです。
私自身、東大に塾に通わずに独学で合格しましたが、「独学で慶女」は、「独学で東大」よりも難しいと思います。
以下、まずは「なぜ難しいか」をご説明します。そのあと、難しいなりにそれでも目指す場合にどうしたらいいかを考えてみようと思います。
なぜ独学では難しいか
中学生が自律して勉強を続けるのは難しい
この理由が最も大きいと思います。中学生という年代は、非常に不安定で、誘惑も多い年頃です。大人でさえ気づかぬうちにスマホ中毒から抜け出せなくなる時代に、中学生で勉強をし続けるというのは相当の鉄人でないとできません。
良い参考書や問題集がない
上記の理由から、中学生で「独学で高校受験をしよう」という人がそもそも少ないので、そのための参考書や問題集もあまり良いものがありません。出しても売れませんから、仕方がないですね。
大学受験関連の書籍は非常に充実していますから、ここは大きな違いです。
合格最低点が高い
大学受験は、たとえば東大であれば、5割くらい得点すれば受かりますが、慶女を含む高校受験では、6割~7割がボーダーラインになることが多いです。
なので、「得意科目で突き抜けて、苦手科目をカバーする」という戦略がとりづらくなります。(得意の1科目でライバルに差をつけられる幅が少ないから)
したがって、苦手科目に向き合って苦手をつぶす勉強をしていかないといけないのですが、これが独学と相性が悪いのです。一人で勉強していると、つい苦手科目から目を背けてしまうからです。
過去問の採点ができない
これは慶女特有の問題ですが、慶女はどの科目も多くの問題が記述式になっています。ということは、マルバツが自分でははっきり分からないということです。
特に国語などは、自分で採点すると得点が倍くらいになってしまう人もたくさん見かけます。そうすると、自分が慶女の合格ラインに対してどの位置にいるのかや、何を勉強したらいいのかが分からなくなってしまいます。
私、○○ですが、それでも厳しいですか?
ネットで下調べをすると、この手の質問をよく見ましたので、念のためお答えしておきます。
学校の成績がオール5
慶女の一般入試には内申点は直接は関係ないです。また、学校の勉強は慶女を含む難関私立高校の入試とは内容・レベルが違いすぎて、あまり参考になりません。
Vもぎ(Wもぎ)の偏差値が○○
これもあまり参考になりません。Vもぎとは問題のレベルが全然違います。しっかりと勉強をしたうえで、駿台模試または、早稲アカやSAPIXの模試を受けてみましょう。
それでも独学で受かるには?
まずはできれば中2までの間に、英・数の2教科を、中3の内容まですべて終わらせましょう。
科目ごとのやるべき勉強
英語
まずは英検準2級を目指しましょう。2級まで取れるとなお良いです。
英検準2級レベルに達したら、過去問を解いてみましょう。
数学
数学は、以下の本がおすすめです。
「最高水準問題集プラス」…前提知識なしで学べるようになっています。例題や標準問題は簡単なので、初学者でも対応可です。
「神技数学」…中3範囲まで知っている前提で、私立高校入試に必要な知識・解法を紹介している本です。
どちらも同じ先生が書かれた本なので、繋がりはよいと思います。ただ、この2冊とも、中学生が独学で進めていくのはかなり難しいのでは、とは思います。
神技数学の問題がすべて自力で解けるようになったら、過去問でもある程度戦えるレベルになっているはずです。
国語
国語は独学するのが困難な科目です。
早速過去問を解いてしまってもいいと思います。本来であれば、記述問題は慶女レベルの指導ができる先生に添削してもらいたいところですが、どうしても独学を貫きたい場合、解答とにらめっこしながら、自分なりの最高の解答を作るということを繰り返し行ってみましょう。
漢字・古文・品詞分解・文学史などの知識分野の勉強も必要です。
過去問の扱い方
第一志望であれば、メルカリで古い過去問を買って、過去15年~20年分の過去問を解くつもりで取り組みましょう。
過去問で3科目合計で190点取れると、合格が見えてきます。ただ、先述のとおり、英数国ともに記述式解答が多いので、自己採点はほぼ不可能です。過去問の採点をしてくれる人を確保するためだけでも、塾に通う価値はあるように思います。
まとめにかえて
この記事を書きながら改めて、独学は相当苦しいよな…と思ってしまいました。
やはり、高校受験で難関校を目指すなら、その学校の傾向・対策を熟知している先生に出会うことが一番大事なのではないかと思います。
「慶女対策に関して日本で私の右に出るものはいない」と思っていますので、苦手科目ピンポイント補強だけでも、コリスの個別指導をご検討ください。

コメント